あらすじ
――勇者。
その名を与えられた日、カイトは確かに誇らしかった。
国王の前で剣を掲げ、民衆が歓声を上げる。
光が降り注ぎ、誰もが彼の名を讃えた。
羨望。期待。賞賛。
そのすべてが、まるで祝福のように聞こえた。
けれど、やがてその音が、鎖の響きに変わっていく。
人は勇者に奇跡を求めた。
戦を終わらせろ。
誰かが泣く前に立ち上がれ、と。
彼の疲れも迷いも、許されなかった。
少しでも笑えば、軽薄と呼ばれ。
涙を見せれば、失望される。
――勇者は常に完璧でなくてはならない。
役割を与えられた魔王と勇者。
こんな出会いでも二人を運命と呼ぶのだろうか?
生まれ変わった先で見た世界の在り方………