あらすじ
王都の大広間に、乾いた笑い声が響いた。
「リリアーナ、お前との婚約は間違いだった」
その言葉を口にしたのは、私の婚約者である第一王子・ルーク殿下だった。
白金の髪を揺らしながら、彼はまるで勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
隣には、彼が新たに選んだという令嬢――侯爵家の娘ミレイユが、わざとらしく私を見下ろしていた。
「殿下……どういう、意味でしょうか」
「言葉の通りだ。お前のような地味な令嬢は、王太子妃にふさわしくない。だがミレイユは違う。彼女は華やかで、聡明で、そして……私を愛してくれる」
――まるで私が、愛していなかったかのように。