あらすじ
無属性魔帝の絶対付与
世界を統べるのは、火・水・風・土・雷の五属性を極めた五大魔帝。そこに、最も地味で攻撃力に欠ける無属性魔法を極めた第六の魔帝、アステル・ゼフィールが加わる。
アステルは誰よりも努力し魔帝の座に就いたにもかかわらず、その力の特性から「歴代最弱の魔帝」と世界中から馬鹿にされるが、本人は全く気にしない。しかし、彼の弟である異世界からの転生者・ライルは、魔法適性ゼロの無能として常に侮蔑の的となり、それが兄への侮辱に繋がることを何よりも悔しく思っていた。
ある日、アステル不在を狙い、彼を弱者と見下す勢力がライルを襲撃する。絶体絶命の危機に瀕したライルの前に、静かに、しかし凄まじい威圧感と共にアステルが現れる。
アステルは、長年極めた無属性魔法の奥義、『絶対付与(イージスの加護)』を弟に施す。それは、攻撃力、素早さ、防御力といった全てのステータスを、通常の魔法では考えられないほど増幅させ、一時的に魔帝すら凌駕する規格外の存在に変える究極の補助魔法だった。
「私を馬鹿にするのは構わない。だが、私の弟に手を出した者は、私ではなく弟自身に潰される」
最弱と嘲笑された魔帝の無償の愛情と、その魔法によって最強の破壊者と化した魔法適性ゼロの弟。これは、誰よりも努力して極めた地味な魔法で、誰よりも大切な存在を守り抜く、「最弱」にして「最強」の魔帝の物語である。