あらすじ
四年前、私は「史上最強の勇者」として召喚され、名目上は魔王を討ち、世界に平和を取り戻しました。
……名目上、だけです。
いまの肩書は、日銭で暮らす木っ端冒険者。召喚主の国と教会からは刺客が届き、肝心の魔王からはやたら香り高いラブレターが届く。相棒の聖剣は常時暴走気味で話が通じない。そして何より、どれだけ鍛えても——うちの大家さんにだけは勝てる気がしません。
そんな“世界最強なのに可哀想”な私と、家族になった神竜の子ども・ノリちゃん。
家賃の支払い日も、鍋の吹きこぼれも、唐突に届く決闘状も、二人で右往左往しながら乗り越えていく。今日は手をつなぎ、明日は肩を並べて。ゆるくて温かい、ちょっと不器用なホームドラマです。
——ただし、ときどき訪れるシリアスは、本気で容赦がありません。
笑っていたはずのページで、心臓を掴まれる準備だけはどうかお忘れなく。