あらすじ
『お前はもう用済みだ。地味で冷酷で時代遅れなお前より、真なる聖女にこそ王妃の座がふさわしい』――社交界デビューの夜、幼少から王太子妃として完璧を求められ続け、礼儀も政治も魔法も“王国のため”に捧げてきた私は、その口で平然と切り捨てられた。取り巻き貴族は一斉に掌を返し、私が裏で処理した失態も、血反吐を吐いて通した改革案も、すべて王太子と「聖女候補」の手柄に書き換えられ、私には濡れ衣の悪役令嬢の汚名と莫大な違約金、家の格下げを餌にした脅迫だけが残る。『王家に逆らうな』と背を向ける家族の沈黙の中、努力も忠誠も踏みにじられた私は、一夜にして王都社交界の生贄にされた。
だが、彼らは知らない。絶望の果てに私が向かった王宮図書塔で、封印指定の古書に触れたその瞬間、この世界が前世で私が遊び尽くした『破滅フラグ乙女ゲーム』そのものだと――そして今まさに「悪役令嬢断罪イベント」と、王国滅亡確定ルートが起動したばかりだと、すべてを思い出してしまったことを。王太子が盲信する“聖女”が本当は魔王側のスパイであり、このまま三年も経てば、作物不作と魔物暴走と外交崩壊で国ごと崩れ去る未来さえ、私は知っている。
だからこそ、私は静かに決める。――そんな連中を、わざわざ救ってあげる義理なんて、どこにもないわね。私は王家からの離縁を好機と捉え、『哀れで捨てられた令嬢』を演じながら、ゲームで把握しているレア資源産地、未発見ダンジョン、安全な隣国ルート、効率的な経営術や魔法技術を総動員し、王家に一切頼らない第二の人生を設計する。誰も見向きもしなかった辺境に投資し、薬草栽培と高性能回復薬の量産、迷宮資源の安定採取、生活改善の魔導具を普及させ、蔑まれながらこっそりと“庶民に優しい豊かな領地”を育てていく。その過程で、打算ではなく実力を認めてくれる騎士、偏屈な天才魔導師、若き商会長らが集い、いつしか“セリーナ派”と呼ばれる穏やかで強い勢力が形成される。
やがて、私の辺境領は技術と経済力で無視できない存在となり、一方で王都は、前世で知るとおりの地獄へと転がり落ちていく。魔王軍の尖兵として本性を現した“聖女”に裏切られ、作物不作と魔物暴走、外交失敗に苛まれた王太子と元取り巻きたちは、最後の望みとばかりに、かつて『地味で時代遅れ』と切り捨てた私の門を叩くのだ。――『助けてくれ、セリーナ。もう一度やり直したい』と土下座して。だが、そこにいるのは、王家に縛られず、自ら築いた国と仲間に必要とされる“最強の悪役令嬢”となった私。提示する同盟条件は、『王太子の退位』『腐敗貴族の一掃』『私を貶めた者たちの罪状公表と資産没収』――そして復縁など、論外。公開の場で真実と私の功績、聖女の裏切りが暴かれ、世論も貴族も一斉に手のひらを返す中、かつて私を嘲笑った者たちは自らの破滅ルートへ落ちていく。
彼らが国ごと支払うことになる“婚約破棄のツケ”と、私は愛する仲間たちと楽しむストレスゼロのスローライフ。最後の一ページまで、読者のあなたの「こうなれ」を一つ残らず叶える、失敗しない極上ざまぁを保証します。