あらすじ
21世紀のある夜。
曾祖父の書斎で「DNAは物語だ」と書かれた古いノートを見つけたユイは、
弟のハルトとともに、不思議なQRコードから「AIとらせん図書館」に迷いこむ。
そこは、AIアバターのジン=Wや、
二重らせんキャラのヘリクスたちと一緒に、
自分の細胞の中やDNAの世界を旅できる“物語図書館”。
細胞タウンの工場見学、
バグだらけのレシピ=突然変異ミステリー、
1953年ケンブリッジへの歴史ツアー、
AIドクターとゲノム検査・遺伝カウンセリング、
そして校庭のさくらの木のDNAまで――。
「なぜ?」「こわいかも」「でも知りたい。」
そんな気持ちを抱えたまま、
ユイたちは少しずつ、遺伝子の“便利さ”も“こわさ”も受けとめ、
自分と誰かのいのちの物語と向き合っていく。
メンデルのエンドウ豆から、
ワトソンとクリックの二重らせん、
ロザリンド・フランクリンのX線写真、
現代のゲノム医療とAIまで。
たくさんの科学者たちのバトンリレーが、
「DNAってなんだろう?」と問いかける
新しい読者=子どもたちの手へと、そっと渡されていく。
本作は、DNA・遺伝子の歴史としくみ、
そして現代のゲノム検査の光と影を、
物語として“体感”できる、
ロザリンド・フランクリンへの小さなオマージュであり、
未来の「読み手たち」への招待状です。
「ワトソン博士の突然のご逝去の報に接し、心からの哀悼の意を表します。」