あらすじ
勇者アイン・ブランシェ――
人間たちが「神に選ばれた希望」として祭り上げた、今代の勇者。
その勇者を間近で見て、最高に育ちきったところで裏切り、一騎打ちする。
そんな武人的野心を抱いた悪魔族の剣士・ガルドは、王都の「勇者パーティ」に自ら潜り込む。
だが集まった仲間は、世界最強クラスのぐうたら竜神リュミア、
人間と神を心底嫌悪するラミアの聖女セラフィナ、
最弱スライム族の名誉回復を目指す元気な盗賊ミナ。
そしてガルド自身を含めて――全員、魔族。
しかも肝心の勇者アインは、どこにもいない。
王国の言い分は「道中で合流せよ」。
書類上だけ存在する、看板だけの勇者パーティ。
「……勇者はどこだ」
勇者を裏切るために潜入した魔族四人は、
まだ見ぬ本物の勇者を探すため、人間と魔族の世界を旅に出る。
その頃、“勇者アイン”と呼ばれるはずの本人は
自分の名前だけが勝手に一人歩きしていることも知らないまま、
ただの冒険者として各地で剣を振るっていた。
勇者ビジネス、ねつ造ニュース、差別と信仰と看板だらけの世界で、
魔族たちは「勇者とは何か」を探しながら、
やがて本物の勇者パーティになっていく。
……裏切るために、のはずだったのに。