あらすじ
祖父が死んだ日、僕のインスタグラムが勝手に更新された。
投稿されていたのは、いつも僕が撮るような朝食の写真。トーストとスクランブルエッグ、それにアイスコーヒー。構図も光の当て方も完璧に僕のスタイルだった。フォロワーからは「おしゃれ!」「今日も素敵」とコメントが並ぶ。
問題は、僕がその朝、何も食べていなかったことだ。
パスワードを変更しても、アプリを削除しても、投稿は止まらない。それどころか、加速していく。カフェ、図書館、夜景――すべて僕らしい日常の写真。でも、よく見ると、どこかがおかしい。ラテアートに浮かぶ「ガダルカナル」の文字。本棚が作る「飢餓」という単語。ビルの明かりが描く「火葬」の形。
そして気づく。これは、祖父の戦争だ。