あらすじ
蟠桃盛会(ばんとうせいかい)が終わり、仙気が立ち込める天界。
素足で慈愛に満ちた赤脚大仙(せききゃくだいせん)が、祥雲に乗って瓊楼玉宇(美しく壮麗な楼閣)にやって来ます。大仙の籠の中には、ちょうど熟したばかりの珍しい供物、燃えるような赤色の火棗(かそう)と、清らかな香りの交梨(こうり)が入っていました。
大仙はこれらの果物を、九品(くほん)の蓮台に座す阿弥陀仏への献上物として、恭しく玉案に置きます。この供養は、単なる果物ではなく、仏陀の無量の功徳に対する虔誠な敬意であり、「一切の衆生の寿命が永らえんこと」を願う祈願でした。
彼が見上げる仏祖の座は、瑠璃(るり)や瑪瑙(めのう)など七種の宝物から化生した、広大で荘厳な七宝蓮台(しっぽうれんだい)です。大仙は、この上ない安定と荘重さを象徴する仏法の基盤を静かに感じ取り、至誠の心を捧げます。
供養を終えた赤脚大仙は、心ゆくまで満足し、ナツメと梨の残り香と共に、静かにこの永遠の浄土を去って行くのでした。