あらすじ
近未来、日本。政府は「国民健康テイスト法」を施行。厚生労働省の巨大サーバー「ミカド」が管理する「法定テイスト」以外の食事は、法律で固く禁じられていた。
人々は、味気ない栄養ペーストを摂取しながら、脳に直接、安全で退屈な味覚データを流し込むことで、日々の食事を終える。
新宿の路地裏で、違法な「本物の食の記憶」を売買する、味覚を失った運び屋のケイ。彼は、ある日、謎の女・天城しおりから、システムを破壊するというプログラム『最後の晩餐』を運ぶよう依頼される。
対価は、彼が失ったはずの、自身の「味覚の記憶」。
しかし、依頼の直後、ケイは双子の兄であり、システムの最強の番人であるレンの襲撃を受ける。
伝説のテイスト・デザイナー・トトとの出会い、自らの能力「調理」への覚醒、そして兄との哀しい和解。数々の戦いの果てに、ケイたちがたどり着いたのは、衝撃の真実だった。
これは、味覚を失った一人の運び屋が、自らの「美味しい」を取り戻すために、世界の食卓を救う物語だ。