あらすじ
会社の契約課には、「全印一致(ぜんいん・いっち)」を必殺技として叫ぶ男がいる。
判谷 朱丸。
108個の私印を使い分け、禁書『奉納帳』で全社員のハンコを一元管理。
会議の前に全員分のハンコを預かり、一気押しで“全会一致”を作ってしまうハンコ厨二おじさんだ。
「口頭の約束など意味がない。ポンが鳴らぬ契約は魂なき紙だ」
そんな会社で、白石 湊は「ハンコじゃなく“誰がいつOKしたか”が残れば十分では」と
電子承認フローを提案し、あっさり飛ばされる。
転職先で出会ったのは、
労務オタク・神崎ことね、フロー職人・山根紗良、UI担当・葉月ゆい。
彼らが用意したのは、
ハンコの代わりに「自分で決裁」ボタンを押す仕組み。
画面には「ここは“名乗りボタン”です。押した人の名前・時間・場所が残ります」と表示され、
ポンではなくカチという保存音が、承認の証になる。
ハンコを全否定する物語ではない。
「責任をごまかすためのハンコ」を終わらせ、
ポンとカチのどちらでもいいから自分で名乗って押す世界に変えていく、
ちょっとおかしくて、少し切ないオフィス×契約コメディ。