あらすじ
死者を兵として再起動させる“代用戦争”が日常になった終末世界。少年ユウは、目覚めるたびに記憶が欠けていく追悼兵団に所属している。右手の甲にはいつも“ミナ”という名前が書いてあり、誰が書いたのか思い出せないのに、その文字だけが胸を温かくする。
戦場で彼らは、鐘の音と未送信の言葉に導かれながら、生き延びるためではなく“撃たない理由”を探し続ける。敵陣に現れる若き指揮官レン――かつて恋人だったかもしれないその横顔は、二度目の戦争を終わらせる鍵でもあった。
記憶保持プロトコル、亡霊フラッグ、雨の停戦。倫理と愛が混ざり合う戦場で、ユウとミナは「名前が消えても残るもの」を選び取っていく。
最後に彼らが交わすのは銃声ではなく配信の宣言。「次に会えたら――笑って」。鐘が“生存の合図”へと変わるとき、戦争は勝利ではなく“終了”へ向かう。