あらすじ
丘の上の館に暮らす青年リュカは、“潤血の御子(じゅんけつのみこ)”と呼ばれていた。
その存在は人の血を受けて大地を潤す――この国を生かすための、生ける加護だった。
そんな彼のもとに、生贄としてひとりの花嫁・ラティーシャが捧げられる。
死をも覚悟して訪れた少女を迎えたのは、冷たい怪物ではなく、皮肉屋で、どこか寂しげな青年だった。
「君、もう帰っていいよ」
その一言から、運命に抗うような奇妙な日々が始まる。
血を拒む御子と、血を捧げる花嫁。
“呪い”に支配された世界の片隅で、ふたりは小さな自由と恋を見つけていく。