あらすじ

長崎の中学生・本木誠は、授業中に居眠りをしているうちに江戸時代の長崎へとタイムスリップしてしまう。目を覚ますと、自分は「本木誠之助」という名の阿蘭陀(オランダ)通詞の跡取りになっていた。厳格な父・彦之進、やさしい母・志乃、妹・弥生に囲まれ、戸惑いながらも異国の言葉と向き合う日々が始まる。 誠之助として出島で新しいカピタン(商館長)ブロムコフを迎えることになり、異国の文化や人々にふれる中で、誠は次第に“通詞”という職の誇りと意味を理解していく。ライバルの名村旺次郎との出会いも彼を刺激し、「言葉を学ぶことは、人の心をつなぐことだ」と悟り始める。 そんな折、英国船の難破事件が起き、誠は捕らえられた英国人ウィリアムと出会う。彼の言葉が阿蘭陀語ではなく英語であることに気づき、必死に意思を伝えようとするが、結局ウィリアムは命を落とす。言葉の壁の前で無力さを痛感した誠は、「言葉で命を救いたい」と強く誓う。 やがて訪れた「カピタン杯」――通詞たちが技を競う大会で、誠は努力の末に優勝し、父や仲間から認められる。しかし江戸参府への随行を目前にして病に倒れ、代わりに従兄の巌吾郎が旅立つ。その朝、誠の意識は再びゆらぎ、現代の教室で目を覚ます。 だが、戻った世界は少し違っていた。徳川幕府が今も続き、阿蘭陀国旗が翻る“もうひとつの現代”。出島と未来が交わるその世界で、誠は再び「言葉の力」に導かれる。阿蘭陀語教師のマルタ先生(かつてのカピタン夫人)や、旺次郎そっくりの同級生・旺司と出会い、「言葉は心の橋である」という教えを胸に、未来を生きる決意を固める。 過去と現在、夢と現実をつなぐ“言葉の旅”を通して、少年は「人と人を結ぶ力」の尊さを学んでいく。

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小説を読もう2025/11/09
  • 現在の作品阿蘭陀通詞になったぼく ― 現代中学生、江戸の出島で通訳はじめました!―