あらすじ
同じ「自閉症スペクトラム」を抱えながら、真逆の方向に生きる二人。
安西直は「障がい者らしく見せる」ことで社会に居場所をつくろうとし、
鈴木優成は「健常者のふり」をやめて、自分として生きようとする。
ある福祉イベントで出会った二人は、互いの仮面を映し合う鏡のように惹かれながら、
それぞれの「本当の声」と「生きづらさ」の正体を見つめていく。
――“ふつう”とは、誰のための言葉なのか。
◆登場人物
安西 直(あんざい なお)
24歳。体は女性だが心は男性。ASD特性あり。
「おどおどキャラ」を演じて社会に合わせるが、自分が偏見を再生産している気がして苦しい。
内面では、淡々と論理的に自己観察を続けている。
外では小動物のように振る舞う。
鈴木 優成(すずき ゆうせい)
28歳。ASD特性あり。診断を受けて「やっと名前がついた」と安堵。
仮面を脱いで生きようとするが、社会は「努力不足」と冷たく突き放す。
安西と出会い、「演じる」ことの意味を再考する。
古川 理紗(ふるかわ りさ)
イベントスタッフ。非当事者。
“優しさ”の裏に無意識の差別がある存在として配置。