あらすじ

「アンナ・リヴィエール、貴様との婚約は、今日をもって破棄する!」

 王城の大広間に響いた声を、私は冷静に見つめていた。
 誰よりも愛していた婚約者、レオンハルト王太子が、冷たい笑みを浮かべて私を断罪する。

「お前は地味で、つまらなくて、礼儀ばかりの女だ。華もない。……誰もお前なんか愛さないさ」

 笑い声が響く。
 取り巻きの令嬢たちが、まるで待っていたかのように口元を隠して嘲笑した。

 胸が痛んだ。
 けれど涙は出なかった。もう、心が乾いていたからだ。

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