あらすじ
幼い少女・綾乃には、生まれながら“亡者を見る力”があった。
他人には見えぬ“死者の影”が、いつも彼女の傍に寄り添い、囁きかけていた。
十二歳のある夜、悪霊が綾乃の身体に憑依し、暴走する。
目を覚ました時、家の中は血の海と化していた。
父も母も、幼い弟までもーー自らの手で殺めてしまったのだ。
絶望に沈む綾乃の前に現れたのは、白晨狐神社で修行を積む霊刀の使い手・甚平。
彼は命を賭して悪霊を祓い、綾乃を救った。
それから五年。
綾乃は白晨狐神社で修行を重ね、十七歳となった今では“死者を浄化する巫女”として成長していた。
ある日、ひとりの子供の霊が現れ、訴える。
「たくさんの子供たちが……洞窟に閉じ込められている……」
綾乃は甚平と共に山奥の洞窟へ向かうが、そこでは子供たちを生贄に“呪箱”を生み出す闇の儀式が行われていた。
三体の鬼との死闘の末、一体を討つも、甚平は命を落とし、綾乃は辛くも神社へ逃げ帰る。
宮司・膳槽は全てを悟り、御神体《みたま》を綾乃に託した。
「この光を絶やすな……清蓮神社へ行け。そこに希望が残っておる」
涙を堪え、綾乃はうなずく。
罪と喪失を背負いながら、少女は再び闇へと歩み出したー。