あらすじ
遥か千年前――。
世界は二つの理(ことわり)に分かたれた。
ひとつは、星の言葉を操り、世界の法則を書き換える者たち。
魔法学派 マギア。
知識こそ力、公式こそ真理、数式が神に届くと信じる者たち。
もうひとつは、筋繊維の収縮こそ宇宙の鼓動と信じる者たち。
物理教団 フィジカ。
「理屈は粉砕可能」「世界は殴ればだいたい従う」と叫び、筋肉に祈り、プロテインを神酒とする狂信の一族。
二大勢力は千年にわたって睨み合い、ついに大地は魔方陣と血潮のタンパク質で染まった。
世界は問うた――魔法か、筋肉か。
宇宙は叫んだ――どっちかにしろ、と。
そのとき――。
二筋の星が天を裂いた。
生まれたのは二人の少女。
ひとりは、昼の星の名を持つ少女。
マジカル・アストラ。
魔術、知識、詠唱、全てを掌握し、指先ひとつで世界の式を書き換える天才。
呼吸は詠唱、瞬きは魔術、歩くたび宇宙定数が揺らぐ。
もうひとりは、夜の雷鳴と共に生まれた少女。
マッスル・ヴァルキュリア。
魔力ゼロ。頭脳ゼロ。だが――筋力だけは無限大(インフィニティ)。
呪文は知らない。スクワットはいつまでも。
魔法陣を拳で描き、魔道書をベンチプレスで鍛える怪物少女。
世界は震えた。星は軋んだ。
魔法と筋肉――両極の運命が、ひとつの交差点で出会う。