あらすじ

完璧な時間管理に人生を捧げてきた校正者・志賀(しが)は、突如として降りかかった緊急事態に理性を失い、デスクの上の砂時計を破壊してしまう。 彼は砕け散った砂を衝動的に口にし、そこで初めて**「時間の味」**を知る。それは、鉄錆とガラス片が混ざったような、過去の重みと現在の痛みが凝縮された、禁断の味だった。 味を知った狂気を、彼は極度の几帳面さで封印する。砂とガラス片をタッパーに密閉し、それが**「腐敗しないか」を監視する**ことを日課とするが、その行為は彼の仕事と精神を蝕み始める。 そしてある夜、志賀は密閉したはずのタッパーの中で、**砂が微かに、しかし確実に「流れ続けている」**のを目撃する。時間は管理を拒否し、常に流れようとしているのだ。 行き着くところまで行った志賀は、タッパーの中の時間の残骸すべてを飲み込むという最終手段に出る。 翌朝、彼は腕時計を外して家を出た。時間を支配しようとした男は、今や**体内を流れる「時間の砂」**に、何を求めているのか? そして、彼自身が時間となった時、世界は彼にどう映るのか?

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小説を読もう2025/11/09
  • 現在の作品砂時計の、あじ