あらすじ

俺は無職だ。午前十一時に起きて、妹の朝食の皿を洗い、田中さんの電球を替え、母の介護保険の手続きをする。報酬は、ゼロ。 妹は大手メーカーの営業職だ。午前七時に起きて、会議に出て、報告書を書き、数字を追いかける。給料は、それなりにいい。 でも、妹は疲れている。俺も疲れている。 ある土曜日、妹が言った。「お兄ちゃん、無職だけど、私より働いてるのかもね」 無職、あるいは労働。その境界は、俺が思っていたよりも、ずっと曖昧だった。 誰かの笑顔を見たのは、いつだっただろう。誰かの「ありがとう」を、本物として受け取ったのは、いつだっただろう。

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小説を読もう2025/11/09
  • 現在の作品無職、あるいは労働について