あらすじ
2XXX年。「TVR」の成熟は、高所得者のみならず、中流以下の人々までもそのサービスに取り込み、誰もが人生の多くの時間を電脳空間の中ですごす日常をもたらせた。TVRとは、全ての脳細胞一つ一つにナノマシンを結合し、個々にコントロールすることを可能とするテクノロジーである。視覚、聴覚のみならず、五感のすべてを高品位かつリアルタイムにコントロールできるこの技術によって、それまでの所謂仮想現実(VR)とは全く次元の異なる真仮想空間(TVR)の実現が可能となったのだ。それは、バイオテクノロジーとナノテクノロジー、そして量子コンピュータの超高速処理が生んだ賜物である。