あらすじ
「お前の声には、何の価値もない」
侯爵令嬢エリアーナは、その声ゆえに「呪われた歌姫」と蔑まれ、長年孤独に耐えてきた。
婚約者である第一王子から婚約破棄を突きつけられ、すべてを奪われた彼女が送られたのは、雪と氷に閉ざされた極寒の辺境の地。
そこで彼女を待っていたのは、「氷の悪魔」と噂される、無愛想で冷徹な辺境伯カイルだった。
誰もが「呪い」と忌み嫌うエリアーナの声。
だが、カイルだけは違った。彼はその声を、ただ一言、こう評したのだ。
―――「美しい」と。
絶望の淵で出会った、唯一の理解者。
彼の庇護のもと、エリアーナは自身の声に秘められた、あまりにも大きな真実を知ることになる。
一方、彼女を追放した華やかな王都には、静かな破滅の影が忍び寄っていた。
これは、価値なきものと捨てられた令嬢が、自らの本当の価値と真実の愛を見つけ、やがて世界を救うことになる物語。