あらすじ
世界が星に焼かれはじめたのは、ちょうど夏の終わりだった。昼間でも空は青くなく、夜になると流星群が止まらなかった。ひとつ、ふたつではない。数え切れない光が音を立てて落ち、街を焼き、海を蒸発させ、人々の影を地面に貼り付けていった。
少年・ソウタと少女・ミナは、焼け残った山の避難所で生きていた。避難所といっても、廃校になった小さな山小屋で、外の電力はもうない。食糧は町の倉庫から拾ってきた缶詰と、雨水。ラジオはノイズしか流れない。
それでもミナは日記を書いていた。表紙には〈星日記〉と書かれている。彼女は言った。
「星が全部落ちたら、わたしたちが最後のページを書くの」
ソウタはその意味を分からないまま、横で薪を割りながら夜を数えていた。