あらすじ
風が吹くたび、どこからか“羽”が舞い降りる――。
それは、誰かの願いが叶った証。
リリア・カナリアは、“願いを運ぶ風”として生まれた少女。
彼女は自分の正体を知らぬまま、世界を旅している。
微笑みながら、ただ人々の小さな祈りに耳を傾ける。
傷ついた少女が“もう願わない”と呟いたとき。
孤独な少年が“風を忘れた”と背を向けたとき。
リリアはそっと現れ、風のように語りかける。
――「願いってね、奇跡じゃないの。
あなたが信じて歩いた瞬間に、生まれるものなんだよ」
人の心に触れたその瞬間、胸の奥から羽が生まれ、空へと舞い上がる。
けれど一つの願いが天に届くたび、リリアの記憶は少しずつ失われていく。
それでも彼女は笑う。
「また、誰かの願いが叶ったのなら――それでいいの」
これは、
“願い”と“記憶”が風の中でめぐりゆく、
優しくて、少し切ないファンタジー。
あなたの願いにも、風はきっと届いている。
ふわりと、羽のように――。