あらすじ
ある日、大学病院の法医学教室に搬送された女性の遺体に、**“微量の絞殺痕と爪剥離”**が発見される。だが警察記録上、この事件は“飛び降り自殺”としてすでに処理されていた。
捜査一課の葛西は、法医学者・真鍋の協力を得て調査を再開。遺体の周囲の監視映像、スマホのデータ、司法記録──全てが完璧に「自殺」を証明していた。しかし、IT監査官の天野は“映像データの一部がAI合成”である可能性を指摘する。
葛西が調査を進めるうちに、ある奇妙な法廷記録に辿り着く。そこには、かつて同様の証拠改竄によって裁かれた事件が記されていた。記録の担当判事は江夏──現在も現役の裁判官だった。
やがて浮かび上がる「証拠を改竄してでも冤罪を隠蔽する司法制度の歪み」。それは葛西にとって、過去の“姉の事件”と重なっていく。
死者が遺した小さな痕跡から、国家と司法の巨大な欺瞞が暴かれていく。そして、真実が明らかになったとき、“本当に裁かれるべきは誰か”という根源的な問いが突きつけられる──。