あらすじ
吉井勇次はあらゆる意味において他の小学生とは違った。勉強はできず運動神経も悪い上、友達もいなかった。劣等感の塊であった彼は集団生活という場で常に苦しみ、またもがき続けた。
そうした中で一つだけ自慢できることがあった。バッタや蟻、セミなどといった昆虫類のもつ特徴や暮らし方に関し、驚くほどの詳しい知識を備えていたのだ。クラスメイトと関わるのは苦手だが、生物飼育は大好きだった勇次。
そうした彼に距離を寄せてきたのが同級生の中村あかりだった。勇次とは様々な意味において対照的であった彼女だが、個性的でしっかりとした自分を持っていた勇次を好きになっていく。
しかしこれは純真な恋愛話ではない。
複雑な家庭環境のもとで生きてきたあかり。そうした中で培われてきた人間性がその後の人生に大きな影響をもたらしてくることに。
異父姉弟
母の真純は子育てに消極的で金銭感覚も大雑把であった。家庭を顧みないワンマンなところが夫の達夫には理解できず、ついにはあかりと7歳年上の美香を置いて離婚をしてしまった。その後達夫は再婚をし、新たな家庭のもとに生まれた勇次を手塩にかけて育てていった。
一方で酒やギャンブルに依存していくあかりの母真純。荒れ果てた暮らしがやがては子供たちの心を蝕んだりしていく結果に。日々の辛さに耐えきれなくなった美香は命を絶ってしまう。
あかりは泣いた。そうした中で自分たちの苦労や悲しみを知らずのうのうと生きている達夫やまたその子勇次に仕返しを出来るチャンスが巡ってきたのだ。
絶対に許さない。幸せを壊してやる。
悪女と化したあかりが幸せな家庭のもとで育ってきた勇次をどうやり込めていくのか?