あらすじ
人の「感情」に触れるだけで、その心の記録を追体験してしまう大学生・美神雫。
彼女の共感能力は、死の瞬間すら再生する。恐怖、痛み、そして犯人の歪んだ欲望——。
警視庁特殊事案捜査課の刑事・高坂玲司に請われ、雫はある密室殺人事件の現場へと向かう。
触れた床板から流れ込んできたのは、二人の心の断末魔だった。
「怖い……誰か、助けて」
「やっと終わった。これで、全部消える」
彼女が受け取った“二重の慟哭”は、犯人の動機と同時に、別の犠牲の存在を示唆していた。
しかしその日から、雫の周囲で“共感能力者”を標的とする事件が起こり始める——。
涙でしか真実を読むことのできない、心の捜査官。
共感は、救いか呪いか。
感情を武器に、雫はまたひとつ、心の地獄へと踏み込んでいく。