あらすじ
50歳になったponziは文学界からも、学術界からも、音楽界からも迫害され孤独に苦しんでいた。そんなある日、SNSでponziのファンだというひとりの初老の男性と知り合う。久山さんと名乗るその男性からponziが文学界から迫害されている理由の一端を告げられる。話はそう単純なものではなかった。久山さんから聞いたのは例えば編集者Aの場合。Aは何となく気に入らないという理由で最初は軽い意地悪のつもりでponziの文学賞受賞に反対していた。Aには高校1年生のマミちゃんという一人娘がいた。彼女が熱狂的なponziファンだったのも気に入らなかった。ある日Aはマミちゃんと大げんかした。「なんでお父さんはponziさんを認めないの?」「あんなやつのどこがいいんだ!目を覚ませ!マミ」。世を儚んだマミは身投げした。Aは行き場のない憤りと罪悪感に苦しんだ。「俺が全面的に悪かった。それは認める。でも、それでponziが成功したら死んだマミと残された俺の立場はどうなる?逆恨みと言われても構わない。俺は絶対にponziを許さない」。久山さんは続ける。「こんな例は無数にあります。娘さんがぐれた、家出した、レイプされたなど。どちらが正しいかという議論はしていません。ただ彼らも血の通った人間であり、複雑な感情を持ってるということです」。