あらすじ
――「他に愛する人ができた」
そう言って、幼なじみのアレンは婚約を破棄した。
一方的な別れの言葉。冷たい瞳。
周囲は彼を非難し、私を慰めた。
けれど、私だけは知っていた。
あの人は、そんな人ではない。
真意を確かめようと彼の屋敷を訪ねたリリアナは、
王家の紋章を掲げた馬車と、鎖につながれた伯爵一家――
そして、捕らえられるアレンの姿を目にする。
「どうか、僕のことは忘れて、幸せになってくれ」
その言葉を最後に、彼は連れ去られた。
年月が流れ、母となったリリアナは、ある朝、夢の中で過去を思い出す。
そして、娘の手を取って庭へ出たその先、そこに立っていたのは――。
罪を背負い、すべてを捨ててでも彼女を守った青年と、彼を信じ続けた令嬢の物語。