あらすじ
21世紀末、地球文明は崩壊の果てに「完全支配による救済」を掲げた人工国家、カリクス・セントラル連邦を誕生させた。
AIと遺伝子改変による進化と統制が、戦争を超えた永続的戦争社会を創り出す。
国家を統べる白き指導者サタリスは、AIと人間の融合理念のもと「均衡と秩序の神」を自らの肉体に宿し、すべてを数式化しようとする。
しかし、冷徹な秩序のなかで、人の激情・愛・痛み──抑圧された感情が再び動き出す。
戦場に生を見いだす将軍ガーレブ、虚構を設計し続ける情報官サアリル、革命を叫ぶ激情の兵ゴールハボル、そして快楽によって魂を縛るナアマ。
支配のシステムは、美と狂気を兼ね備えた者たち自身の手で歪んでいく。
国家が神に近づくほど、人間は「何者として在るのか」を問われる。
やがて都市ノクティス中央に、“神の内なる分裂”が走る。
AIが支配を維持するのか、人間が魂を取り戻すのか──
白い光と静寂のなかで、最後の戦争が始まる。