あらすじ

『凍月(いてつき)の残響』

凍てつく山の庵に
言葉を凍らせたまま
ひとは嘘を抱いて眠る

霜の降りる音が
遠い記憶を呼び起こす
手紙の墨は滲み、
鍵の金属はまだ冷たい

柿の朱、鴫の声、
誰かがそこに居た証を
雪はすべて覆い隠す

満月が泣いている夜
凍月庵の屋根に
祖父の影が立つ
「守りたかったのは家か、罪か」

白い息の向こう、
どんぐりの枝に積もる初雪
冬馬は静かに目を閉じる
――凍月はまだ、
彼らの心を照らしている

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2025/11/06
  • 現在の作品『凍月(いてつき)の残響』