あらすじ
物語の始まりは、授業での衝突だった。
議論は終業の鐘では切れず、むしろ細い糸のように二人を結びはじめる。
アカデミーの日々のなかで、失われていたはずの温度が、ゆっくりと戻っていく。
ささやかな会話、ふとした仕草、名前を呼ぶ声の響き──
それらは、気づかないうちに形を変えていく。
季節がめくれ、学舎の外へと視界が広がる。
新しい場所、新しい試練、そしてまだ誰も答えを知らない運命の回り車が、かすかな音を立てて動き出す。
ある日、古い菌類の現象が目を覚ます。
ただの生物学的な珍事で終わるはずだったそれは、世界の継ぎ目を揺らし、ミラの身体は小さな妖精のような姿へと縮んでいく。
科学の下で眠っていた神話が、ひそやかに顔を上げる。
そして二人は、その不可解な変化に向き合い、答えを探しはじめる。