あらすじ
「ちゃんと質問に答えなさいよ!」
「くだらない質問だよ」
「なっ、総理! 今なんて言いましたか!?」
「くだらないとはなんだ!」
ある日の国会議事堂。冷笑を浮かべる与党議員たちと、舞台俳優さながらに身振り手振りで詰め寄る野党議員たち。いつも通りの不毛な応酬に、生中継を眺める物好きな視聴者たちでさえ退屈そうにあくびを漏らしていた。
だが次の瞬間、その誰もが息を呑んだ。
議場の中央に、突如として白銀の閃光が奔り、眩い光の柱が立ち上がったのだ。
椅子を蹴り倒さんばかりに仰け反る議員たち。腕を組んで舟を漕いでいた老議員も目をしばたたかせる。
逃げなければ――そう思う間もなく、光の奥から“それ”は姿を現した。そしてその瞬間、議場の空気は一変し、誰もが呼吸することすら忘れた。
長く尖った耳。陶磁器めいた白い肌。陽光を閉じ込めたような金色の髪。
誰もが即座に確信した。間違いない。あれは――『エルフ』だ。
「皆さん、はじめまして」