あらすじ
雪の降る朝、長い年月を経て故郷に戻った男・勝俊。
彼を迎えたのは、かつての家の静けさと、止まったままの時計の音だった。
父は多くを語らず、母は沈黙のまま家を去った――。
残されたのは、誤解と怒り、そして言葉にならない問い。
だが、書斎の引き出しから見つかった一通の手紙が、
長く凍りついていた“家族の時間”を少しずつ溶かしていく。
沈黙とは、冷たさではなく祈りだったのかもしれない。
声にならない愛、届かなかった想い。
雪解けの光の中で、勝俊はようやく気づく。
――父も母も、互いを、そして自分を愛していたのだと。
過去と赦しをめぐる静謐な物語。
「言葉にできない愛」を描く、心に響く冬の記憶。