あらすじ
祝祭の日、侯爵令嬢イザベラは王太子から突然「婚約破棄」を言い渡される。理由は――聖女エリナが流した「いじめの訴え」。身に覚えのない濡れ衣に人々は聖女を信じ、イザベラは一夜で罪人同然と扱われてしまう。
だが王国法には、名誉を賭けて真偽を示す名誉決闘の制度があった。
挑んできたのは“光の身体強化術式”を操る人気の聖女。
イザベラに残された武技はただひとつ、幼い頃に父から学んだ古流レスリング――キャッチアズキャン。
「奪われた名誉は、自らの手で取り戻す」
父の指導のもと、忘れていた技と心を呼び覚ますイザベラ。
そして決闘の場、聖女の光術式とイザベラの技術が激突する。
圧倒的な力に見える聖女の攻撃。
だがその“力任せの踏み込み”は、技を極める者にはむしろ好機だった。
――流れを掴み、崩し、投げる。それが淑女のたしなみ。
決闘の果てに、イザベラは王太子の謝罪と婚約修復を迫られるが、それを拒否する。
彼女が選んだのは“誰かの隣に立つ未来”ではなく、“自分の尊厳と人生を取り戻す未来”。