あらすじ
アジアで最も将来を嘱望されていた若手ソプラニスタ、クウォン=クラシナ。
しかし彼は、母の祖国を巡る政変と大人たちの思惑に巻き込まれ、その歌声を理不尽に奪われることになった。
夢を失い、平凡な大学院生として日々を過ごしていた彼はある日、研究科棟ごと異界『エルミナス』へと転移する。
そこは、高濃度エーテルという毒の海に浮かぶ一本の巨大な「大樹」の上でのみ、人々が暮らす世界。
彼が降り立ったのは、「落ちた枝(テネブラーネ)」と呼ばれる、死と隣り合わせの魔境だった。
その魔境で出会ったのは、妖精族の少女・エッタ。
世界に共鳴し息づく異世界の「歌」に触れた瞬間、胸の奥で燻っていたソプラニスタとしての魂が、再び炎を灯す。
「――世界を巡り、さまざまな歌と出会って……そして、その歌たちを自分の声で届けたい」
再び見つけた小さな夢を抱き、彼は旅立ちを決意する。
だが、彼らの暮らす「大樹」はすでに“衰え”を見せ、崩落の危機に瀕していた。
種族や文化の軋轢、交差する様々な思惑。
崩壊(お)ちゆく世界の運命は、彼の純粋な夢を容赦なく巨大な渦へと巻き込んでいく。
【ここが読みどころ!】
本格ハイファンタジー:安易なチートスキルはありません。知恵と技術、仲間との連携で困難を乗り越えます。
美しい世界観:巨樹、エーテルの海、妖精、オーガ族の武誓祭……緻密に描写される異世界に浸りたい方へ。
バディ要素:元ソプラニスタの青年と、快活な妖精少女の旅路。
【作者より】
作者のSeraphnotesです。ご都合主義や無双はない、過酷で美しい世界を丁寧に描写することをを心がけています。特に異世界という舞台でそこに根付く種族や宗教、文化などに真っ向からぶつかってゆく主人公クウォンの旅路を楽しんで頂けると幸いです。 応援いただけますと嬉しい限りです。