あらすじ
「……あ、転生先、間違えたわこれ。」
気づいたのは、転生して二秒後。鏡に映るのは美形な癖に、家訓と貧乏が筋金入りの“微妙な立ち位置の貴族令嬢”。
しかも本編開始一週間後、婚約者である第二王子から突如告げられる。
「君の家は没落寸前だ。王妃の器ではない。よって――求婚を破棄する」
……いやいや、知らないんだけど?前世の記憶を持って転生したのは良いとして、よりによってこのタイミングで貧乏問題に巻き込まれるのは予定外。
家族は優しいが借金まみれ、領地は荒れ、屋敷は雨漏り。
地雷系悪役令嬢として処刑ルートに行くよりはマシだが、人生の難易度が想定の三倍である。
しかし、婚約破棄を受けた瞬間、主人公は悟る。
「……もう全部放り投げて、一からやり直そ。復讐?ああ、うん、まあ落ち着いたらでいいや」
こうして彼女は家から飛び出し、
城下で仕事を探したり、拾った魔導獣を育てたり、鍛冶屋のばあちゃんに鍛えられたり、気のいい冒険者に巻き込まれたり、なぜか辺境伯家に気に入られたりしながら、生活スキルから人生そのものまで再構築していく。
しかし、彼女が自由に生き始めた途端――
彼女を切り捨てた王子は焦り、
王国はざわつき、
知らぬ間に彼女の名前は「新星の魔導技工士」として国中に広がっていく。
それでも主人公は相変わらずマイペース。
「まあ、復讐とか、別に急ぐことじゃないし?
健康な生活って最高だわ」
……そう呟いた裏で、王子派閥が青ざめる音がしたとかしないとか。
これは、
「転生先はハズレだったけど、人生はこれから神引きするので問題ない」
を地でいく令嬢の、のびのび自立ファンタジー。