あらすじ
豪雨の真夜中、青い“ナニカ”が、人々から「奇形」と呼ばれる花だけが集められた放置された花園を訪れる。
どれも異形とされる花なのに、夜の中ではただ静かに、美しく咲いている。
園を歩くうちに、青いナニカは葉緑素を持たない白い花──ユウレイタケに心を留める。仲間を思わせるその姿に、初めて小さな感情が揺れた。
雨が上がり、欠けた月がのぞく頃。
青いナニカは花園に別れを告げ、また来るとだけ言い残して去っていく。
真夜中の風が花々を揺らし、まるでその背中を優しく見送るようだった。
そして青いナニカは、またこの奇形だらけの花園に戻ってくる──。