あらすじ
──宇宙港第七居住環 “アルカディア"
生まれてから二十年、アリア・レンブラントは空のない世界しか知らなかった。
人工太陽の光が天井から降りそそぎ、循環された空気が金属の街区を満たす巨大宇宙居住環〈アルカディア〉。
彼女はそこで、軌道保安局の若手エンジニアとして働きながら、祖母の残した謎の研究データを密かに解析していた。
──“星が沈黙する前に、継承者が現れるだろう”
祖母の遺言に残されたその一文が、ずっと彼女を捉えて離さない。
ある日、居住環の外縁部で起こった未確認機体の侵入事件の調査に駆り出されたアリアは、機体内部で 自分と同じ顔をした少女の冷凍カプセル を発見する。
少女は微かに目を開き、アリアに言った。
「あなたが来るのを待っていました、第一継承者(プライマリ・サクセサー)」
その瞬間、アルカディアの人工太陽が落ちた。
居住環全体が暗闇に包まれる中、アリアの運命は静かに動き始める。
人類の未来を握る“継承者”とは何なのか。
祖母の研究は何を示していたのか。
そして、自分と同じ顔の少女は誰なのか。
崩壊へ向かう軌道都市を舞台に、アリアは宇宙規模の陰謀へと巻き込まれていく──。