あらすじ
男爵令嬢フレッチェは、父を亡くして以来、継母と義妹に粗末に扱われてきた。
ろくな食事も与えられず、裏庭の木の実を摘み、花の蜜を吸って飢えをしのぐ日々。
そんな彼女を、継母たちは虫ケラと嘲る。
それでもフレッチェの慰めは、母が遺してくれた香水瓶の蓋を開け、微かに残る香りを嗅ぐことだった。
「あなただけの幸せを感じる香りを見つけなさい」
その言葉を胸に生きていた彼女に、転機は突然訪れる。
公爵家が四人の子息の花嫁探しのために催した夜会で、フレッチェは公爵家の三男ラウルと出会う。
彼には他人の感情を香りとして感じる力があり、フレッチェが心に秘めてきた怒りも諦めもすべて「良い香り」だと受け入れてくれた。
惹かれあった二人は一夜をともにするが――。
※香水の作り方は中世ヨーロッパをモデルにした魔法ありのふんわり設定です。
※登場する植物の名称には、一部創作が含まれます。