あらすじ
高校最後の夏休み。
時坂彼方(ときさか かなた)は、自由研究のテーマとして選んだ「ある伝説」を調べるため、地図の空白地帯にある集落——空蝉村を訪れる。
その村に伝わるのは、『神隠し』の伝承。
神域に触れた者は、現世から忽然と姿を消してしまうという。
人当たりが良く、誰に対しても礼儀正しい好青年の彼方。
しかし、その笑顔の裏には、誰にも言えない暗い衝動が隠されていた。
「欲しいものがない」「世界に未練がない」。
彼がこの村を訪れた本当の理由は、伝説の真偽を確かめ、もしそれが本当なら――