あらすじ
気がついたら子どもになっていた。
気がついたら、知らない両親がいて、家族ができていて。
気がついたら、江戸に似た異世界にいた。
この世界は、江戸のようで江戸ではない。
人のようで人でない者が歩き、鬼のようで鬼でないものが笑う。
そんな曖昧な存在たちが暮らす街で、私はただ、三味線を弾く。
絃が鳴り、匣(はこ)が震えるたび、見えるもの・呼ばれるもの・寄ってくるものがいる。
妖に振り回され、正体不明の訪問者に翻弄され、
“日常のようで日常ではない”毎日が静かに転がり始める。
三味の音が引き寄せるのは、縁か、絆か、それとも。