あらすじ
【格差都市で巻き起こる、電脳サスペンス】
核戦争後の復興都市ストライド。
そこは、都市全体を覆う情報網「電脈(エレクトロ・フロー)」が、富も、身分も、未来すらも決定づける超階級社会。
都市のすべてを監視し、未来を予測する「観測塔」。その恩恵を享受する「上層区」の富裕層と、予測システムから除外され、「透明な存在」として生きる最下層スラム「アンダーネスト」の住民。
主人公のアッシュは、スラム出身の違法通信の仲介屋。予測不可能な直感と、都市を縦横無尽に駆け抜けるパルクール技術を武器に、ただ唯一の家族である妹のリナを守るためだけに生きていた。
二人の日常は優秀な技術者だった母マリアの謎の「事故死」によって、静かな影を落とされていた。
ある雨の夜。
アッシュが破格の報酬が提示された危険な依頼で、家を空にする。
一人残されたリナは、兄を案じる不安、そして母の死の真相を知りたいという渇望から、形見として持ち続けていた旧型の電脈端末を手に取ってしまう。
彼女はまだ知らない。
その端末こそが、この都市の支配システムの『鍵』であることを。
リナがスイッチに触れた瞬間、都市の支配者たちが異常を検知する。
システムにとっての「ノイズ」が生まれた瞬間だった。
平穏な日常は崩壊し、兄妹は、市警と裏社会の両方から追われる壮絶な逃亡劇へと巻き込まれていく――。