あらすじ
土曜日の午後。
阿蘇の空は、淡いサファイアの光をたたえて静かに広がっている。
図書館の窓辺には、陽射しに透けるページの音。
シャーロットは、カウンターの奥で返却された本をカートに並べている。
その指先は、静かで丁寧。
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紫郎は、カウンターで静かに閲覧席を見渡す。
ときおり首を振って、シャーロットの背中を見つめる。
何も言わず、ただその姿に、何かを思い出しているようだった。
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図書館の名物猫・ジュリアは、カウンターの座布団の上で丸くなっている。
その白い毛並みに窓の光が差し込むたび、彼女の耳がピクリと動く。
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二人と一匹は、言葉を交わさずとも、
同じ午後の静けさの中にいた。
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サファイアの光は、誰にも気づかれないまま、
図書館の空気に溶けていく。