あらすじ
〈アメノウキハシ〉――
人の記憶をもとに“対岸世界”を構築し、意識を送り出す探索装置。
探索者・田中まやは、依頼者の想いや夢、願いを辿りながら、
さまざまな時代・場所・心象に生まれる世界を巡る。
第一章「失われた時を求めて」
八十年前、戦争へと向かったまま戻らなかった親友。
その記憶が薄れゆく前に「もう一度会いたい」と願う老人の依頼を受け、
まやは彼の心象世界――昭和十五年へ向かう。
写真に残った若き日の二人。
託された腕時計。
喫茶店で交わされた最後の会話。
まやは“幻の世界”で失われた時間の断片を拾い集め、
老人が忘れかけていた「大切な記憶」を甦らせていく。