あらすじ
「お前は俺がいないと生きていけない、役立たずのクズだ」
専業主婦の桐谷梓(きりたにあずさ)は、一流企業に勤めるエリートの夫・浩介(こうすけ)から、日常的に人格を否定され、精神的に支配されていた。
外面(そとづら)は完璧な夫に逆らえず、息子の蓮(れん)のためにと、ただ耐え続ける日々。
しかし、ある日、梓は絶望的な現実を目の当たりにする。
最愛の息子が、父親そっくりの冷たい目と口調で、自分にこう言い放ったのだ。
「ママは頭が悪いんだから、黙っててよ!」
――私が我慢していたせいで、この子まで夫と同じ怪物(モラハラ加害者)にしてしまう。
親友からの「子供は親の背中を見て育つ」という警告と、息子の変貌に、梓はついに決意する。
「私、離婚したい」
夫に「何の役にも立たない」と馬鹿にされ、結婚を機に捨てさせられた、かつての「スキル」。
水仕事で荒れたこの手は、かつてクライアントから喝采を浴びたWEBデザイナーの手だった。
「――あなたの『スキル』、まだ錆び付いてないでしょう?」
親友の助けを借り、水面下で反撃の証拠を集め、錆びついたはずの才能を研ぎ澄ませていく梓。
一方、妻(という名の無償ゴーストライター)がデザインした資料で「手柄」を立てていた夫は、梓という“本当の才能”を失ったことに気づかないまま、あっけなく没落していく。
これは、全てを搾取され続けた妻が、自らの「腕」一本で地獄から這い上がり、夫に痛快な「ざまぁ」を突きつけ、息子と自分自身の尊厳を取り戻す、逆転再生ストーリー。