あらすじ
名を持つ者だけが「人」と呼ばれる街。
名を奪われた“名無し”は、死と隣り合わせの最下層で生きるしかない。
そこで生きる少年――13番は、記憶のないままホロウと呼ばれる怪物を斬り続けてきた。
ある日、彼はひとりの少女 アリシア を助ける。
名持ちのはずなのに、理由もなく地下に落とされた不思議な子供だった。
ただの救助のはずが、アリシアの存在は13番の封じられた“過去”に火をつける。
ホロウを斬ったときに感じた胸のざらつき。
断片のように浮かぶ誰かの声。
そして、「名を持てば過去が見える」という噂。
次々と謎を撒き散らす男・42番の言葉が、13番に選択を迫る。
――名を奪うか。
――名を探すか。
――それとも、自分を守るために“忘れ続ける”か。
薄暗い地下都市で、名も記憶も持たない少年と、名を持つ少女が出会ったとき。
二人の運命は、大きく、残酷に動きはじめる。
これは、“名前”に支配された世界で、失った自分を取り戻す物語。