あらすじ
歯科衛生士として働く美月、39歳。離婚して5年。
元夫に「お前は強すぎる」と言われた言葉がトラウマとなり、誰にも弱さを見せない「強がりの仮面」を被り続けてきた。笑顔の裏で、息子にさえ本心を見せられない寂しさを抱えている。彼女の恋はいつも急ぎ足で、身体だけが満たされたふりをして終わる「短距離走」だった。
そんな彼女の前に現れたのは、WEBデザイナーの貴史。
彼は美月を「しっかりしている」ではなく、「やわらかい声」「芯がある」と評し、彼女の心の奥の寂しさに気づく。そして貴史は語る。「性愛は、早くゴールすることじゃない。お互いのペースを尊重し、長い距離を一緒に走るものだ」と。
ある夜、彼の部屋で、美月は初めて本当の自分をさらけ出す。
「息、止めないで」「僕たちの呼吸を合わせよう」――。貴史の丁寧で優しい愛撫は、これまで美月が抱えてきた孤独と不安を静かに溶かしていく。それは、ただの快感ではなく、「ひとりの生命として愛されている」という確かな安心だった。
強がりを脱ぎ捨て、心と身体が一致する「長い呼吸」を知った美月は、過去の自分と決別し、新しい人生と息子との関係を取り戻していく。
「強さ」と「自立」の鎧に疲れたすべての女性へ。これは、性愛を通じて、ありのままの自分を肯定し、生きるための「息の仕方」を取り戻す、大人のための再生の物語です。
TALESでも公開中。