あらすじ
ひとりのVTuberが、突然活動を終えた。
原因は、小さな炎上だったのか、積み重ねた疲労だったのか。
彼女は語らず、世界だけが先に動いた。
物語は、彼女の終わりを囲む“七つの距離”から紡がれる。
かつて隣に立っていた同期。
善意のつもりで空気を守りながら、知らぬ間に彼女を追い詰めていたファン。
流行として消費し、すぐに忘れていく通行人。
言葉にならない痛みを作品に変えて残した若者。
最後の後処理を淡々とこなすマネージャー。
偶然その声を拾った高校生の少女。
そして――もっとも沈黙していた本人自身。
七つの視点が照らし出すのは、劇的な真相でも、救いの物語でもない。
そこに確かに“在った”ひとつの声と、その光が失われたあとの現実だ。
光は本当に消えるのか。
あるいは、誰かの中でかすかな熱だけを残して続いていくのか。
これは、ひとつの声の終わりと、
その向こう側で静かに呼吸を続ける七つの物語。