あらすじ
音大受験に失敗し、音楽から距離を置いていた大学生・日比木 律(ひびき りつ)。
ゲーセンで出会ったのは、ロボット×音楽ゲーム『HarmoniX Core』を華麗に操る天才女子中学生、《cocoa*》こと歌香 心愛(うたか ここあ)だった。
「絶対に目を離さないでくださいね、お兄さん!」
ハイテンションな心愛の師匠、レーティングの数字だけを追うライバル……足を踏み入れたのは、クセ強すぎる腕利きプレイヤーたちが跋扈する世界。
時には音楽と向き合いながら、時には甘い雰囲気を作りながら(?)、少しずつスコアを伸ばす二人の舞台は、やがて全国大会へと続いていく。
理論値のその先へ、音楽をもう一度好きになるために——。
大学生×女子中学生、年の差バディが織りなす、青春音ゲー×ボーイミーツガール物語、ここに開幕!
── 以下、電撃小説大賞用あらすじ ──
吹奏楽の名門高校で音楽に打ち込み、音大進学を目指していた日比木 律(ひびき りつ)は、受験の失敗を機に音楽から距離を置いていた。
そんなある日、彼は新作アーケードゲーム『HarmoniX Core(通称:HXC)』をプロゲーマーが体験する配信を偶然目にする。リズムゲームとロボットアクションを融合させたその世界に魅了された律は、自らもゲームセンターでプレイを始める。
そこで彼が出会ったのは、《cocoa*》を名乗る女子中学生プレイヤー・歌香 心愛(うたか ここあ)だった。ストイックなまでに技術を追求する彼女は、プロの音楽ゲームプレイヤーを目指す一方で、「部活動」のように音を通じて他者とつながる経験への憧れを抱えていた。
律は心愛に誘われ、彼女の師匠的存在《ちょこふぉ☆んでゅ》らと共に非公式大会へ参加する。打ち上げの席で音楽への挫折を打ち明けた律は、「音楽は楽しんでいい」という言葉に背中を押され、やがて開催が発表された公式大会を機に、再び音楽と向き合い始める。
公式大会の盛り上がりと共に、プレイヤー内ではスコア重視派と演奏派の対立、さらにその中でも流行楽曲派とクラシック派など、価値観の違いも表面化していく。心愛もまた、HXCの取締役であり伝説的コンポーザー・DJ CACAOを父に持ちながら、自身が音楽を「プロになるための手段」としか捉えられないことに葛藤していた。
そんな彼女を支えようと、律は個人競技だけでなくタッグ形式のアクション部門にも彼女を誘う。律の“楽しむ姿勢”と心愛の圧倒的な技術は、見事アクション部門での優勝を勝ち取る。
そしてテクニカル部門決勝の舞台で心愛の前に現れたのは、父がこの大会のために書き下ろした新曲だった。心愛は自身の限界を超えてその譜面を「楽しみ切り」、逆転優勝を果たす。
中学生女王の誕生と、伝説的コンポーザーの復活。この奇跡が、HXCというゲームそのものの未来を大きく動かしていくことになるのだった。